大手不動産会社ほどコンプライアンスがしっかりしていると思いがちだが本当はその逆だ。

こんにちはインベスターサーファーのLEEです。

今日は私が実際に経験した1つのあるエピソードを紹介します。

私は一棟目の物件を購入してから2ヶ月後に、ある日本を代表する大手不動産会社のサイトから物凄い物件を発見しました。

その物件の売値は2億8000万円だったのですが利回りは10%強、築年数は16年でなんと土地の広さは800坪もありました。

しかも神奈川県の藤沢市ですので、そんなにも田舎ではありませんでした。

そこで私は積算価格を計算してみると売値2億8000万円に対して積算価格が5億円もあり驚愕しました。

私は直ぐに、この大手不動産会社に電話をかけ「まだ物件は残っていますか?」と質問すると「まだ残っていますが買い付けがすでに11本も入っています」という回答でした。

私はやはり遅すぎたんだなと思い諦めようとした時、営業マンが私に切り出しました。

「実は買い付けは全て他の仲介会社から入っていて当社からの買い付けは1本もないのでなんとかします」と言い出したのです。

私はその瞬間、これが「両手狙い」かと驚きました。

「両手」とは売主側からも買主側からも仲介手数料を取ることで、売主側からのみ仲介手数料をもらう「片手」の2倍の金額になります。

この物件の場合だと2億8000万円の仲介手数料は片手だと840万円、両手だと1680万円になります。

たった1回仲介しただけで1680万円ももらえるわけですから両手を取りに行きたくなる気持ちも分からなくはありません。

そうやって11人飛ばしで第1優先権を得た私は次の日にその大手不動産会社を訪れ担当の副支店長の車に乗せてもらい物件を見に行きました。

その道中の車の中での会話により私は不動産屋は投資家とは全く違う世界にいる人種なんだなと再認識させられました。

副支店長は私にこう言いました。

「世の中そんなに景気がいいんですかね?だって3億円近くする物件に2日間で11人も買い付けが入るなんて信じられないですよ。」

私はまだこの人は値段を安くつけすぎたことに全く気がついていないんだと思いました。

そして私は副支店長に「何を基準にこの物件の価格を決められたんですか?」と質問すると副支店長は「過去に数回だけ小さなアパートを売ったことがあるんですよ。その時利回り10%で売りに出したら凄く反応が良かったので今回もそうしたんですよ」と答えました。

どうやら話を更に聴きだすと普段の売買は戸建やマンションの一室のマイホームが99%でアパートも過去に2、3回は売ったことがあるが、今回のような大型マンションの売買は初めてだということでした。

私はやはり大手の不動産会社で30年も働いているベテラン副支店長でも不動産投資に関する知識はこの程度なんだなと実感しました。

私はこのエピソードがあるまでは大手の不動産会社はコンプライアンスがしっかりしているので売主の利益に反する行為に厳しく、小さな不動産屋の方が両手を取りにいく行為が横行していると思いこんでいました。

しかし、本当はその逆で理由も何となくわかってきました。

理由は小さな不動産屋も本当は両手を取りたいのだが、お客をそんなに抱えていないので、やりたくても出来ないが大手の不動産会社はお客をたくさん抱えているので両手を狙いやすい状況にあるということです。

この経験から私は物件を売却するときは絶対に大手に頼むのはやめようと思うようになりました。

結局この物件は私が2億7500万の融資を受けてから2ヶ月しか経っておらず、どの金融機関からも「二棟目にしてはスピードが速すぎる」という理由で融資が通らずに諦めざるおえませんでしたが、一棟目からもう少し時間が経っていればと今でも悔やまれる物件です。

ABOUTこの記事をかいた人

TOSHIYUKI ”SAM” LEE

1971年大阪生まれ。18歳から東京の大学に進学し卒業後、柔道整復師の夜間の専門学校に3年間通う。国家資格を取得後26歳で東京に整骨院を開業。 38歳の時にハワイに移住するにはどうすれば良いかと試行錯誤し不動産投資と出会う。その後39歳でリタイアし42歳でハワイに家族と移住する。 年間300日はサーフィンをする。